2026年2月18日(水)〜2月27日(金)
10:00〜17:30 (日・月曜休み、最終日15:00まで)
オリエアート・ギャラリーでは、薬師川千晴絵画展「Before contact – rub/veil/knock」を開催します。
薬師川千晴は自己と他者、あちらとこちらなどあらゆる「対」となる関係性を表現した抽象絵画を制作し、独自の身体的表現方法で痕跡をダイレクトに表出させる作品を編み出しています。
2025年に京都市京セラ美術館で開催された「ザ・トライアングル 薬師川千晴:ノックノック、境界の扉をノックする。」では、向こう側にいる見えない誰かに合図と自身の存在を確かに伝える行為「knock」に着目し、絵具がついた拳で色面を叩く「knock」の表現で全長7.5メートルに及ぶ大作を描きました。
本展で発表する「rub」「veil」シリーズでも自作の絵具を作家自らの手足につけ、踊るように(時にもがくように)痕跡をキャンバスに残します。両手または両手両足で描く「rub」は、鮮やかな色彩同士が一方に入り込みながらも、個々の領域は尊重しながら画面上に共存します。「veil」では特殊な顔料を用い、二色の下地の上に塗られた同一色の絵具は全く異なる色として浮かび上がります。それは私たちの世界でも起こりうることを提示するような不思議な美しさを讃えます。
「異なる存在から生まれる美しさ」に希望を託す薬師川の作品をぜひ会場でご体感下さい。
本展に出品する三つのシリーズは、そのいずれもが、境界の手前で生まれる行為であり、関係の始まりでもあります。
扉の向こうに存在する他者に対し、自身の存在を知らせる合図であり、配慮の行為でもあるノックに着目した《knock》シリーズ。両手両足に異なる絵具をつけ画面の上に四肢の痕跡を残し、異なるもの同士の関わり合いのあり方を問い直す《rub》シリーズ。特殊な顔料を用い、生まれた国や育った環境などによって同じものを見ていても見えている世界は異なることを暗喩する《veil》シリーズ。それぞれの絵画が奏でる色彩にひそむ、身体を通して思考した痕跡にそっと目を留めていただければ幸いです。(薬師川千晴)
薬師川千晴 Chiharu YAKUSHIGAWA
1989 滋賀県に生まれる
2013 京都精華⼤学⼤学院芸術研究科博⼠前期課程芸術専攻修了
おもな展覧会
2021 「VOCA展 2021 現代美術の展望−新しい平⾯の作家たち」(上野の森美術館/東京)
「Soft Territory かかわりのあわい」(滋賀県立美術館)
2023 個展「番の絵画」(鎌倉画廊/神奈川)
2024 個展「knock, knock, knockin’ on boundary door. / 境界の扉をノックする。」(銀座蔦屋書店/東京)
2025 個展「ノックノック、境界の扉をノックする。」(京都市京セラ美術館)
個展「Through the Veil, Across the Rub」(銀座蔦屋書店/東京)
「新京都(いまきょうと)-古都から千年先へ-」(ギャルリーためなが京都)
