2025年10月21日(火)ー10月31日(金)※日曜休廊
10:00-17:30(最終日 15:00まで)
オリエ アート・ギャラリーでは、橘 宣郁子 絵画展「Echoes」を開催します。橘は、1990 年代にアメリカに渡り、現在に至るまで サンフランシスコを拠点に制作を行っています。アメリカ、欧州、 関西、東京を中心に発表を重ね、サンフランシスコ美術館をはじめとする主要な美術館に多数の作品がコレクションされています。
彼女の目線は、植物を入り口に宇宙のすべてをつなぐ「唯一の統一原理」に惹きつけられ、その探求を自身の芸術表現のコアとしてきました。自然界に見られる螺旋や枝分かれ、細胞構造などのフラクタル的パターンに着想を得ながら、単なる形の反復を超えて、その反復が「意味」を持つことに関心を寄せます。過去の痕跡や記憶、運動の残響がどのように時を越えて響きとして残り続けるのかを問いかける作品群は、「最も小さな痕跡の中にも、より大きなものの記憶が宿る」という信念に基づいています。 本展「Echoes」では、「反復」からさらに俯瞰し、形、色、線、空間の関係性を通じて、「相互のつながり」を視覚的に探求します。生命の誕生までに思いを馳せるほどの複雑なネットワーク構造も、そのはじまりは形や線が繰り返され、互いを静かに増幅し合うことで、複雑さと明晰さ、断片性と統一性を併せ持つ根底的な秩序なのです。
会場ではカラーペンシルによる繊細で深い余韻を残すペイティング作品を 20 点近く展示します。橘の深遠な世界観と作品群をぜひ会場でご高覧下さい。
橘 宣郁子 Seiko TACHIBANA
1964 大阪府生まれ
1988 神戸大学教育学部 学士
1992 神戸大学教育学部教育学研究科美術科 修士
1995 サンフランシスコーアートインスティチュート 修士
現在、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ在住
主な受賞・展覧会
1993 ロータリー財団奨学金
1997 買上賞 国際版画展(ポートランド美術館)
買上賞 パルプフリクション展(メサ、アリゾナ)
買上賞 ステイーブンコーリー賞(パシフィックセンターブックアート)
1998 ウオーレンス アレクサンダー ガーボード財団 美術館買上賞
大賞 パシフィックプリンツ展(パロアルト、カリフォルニア)
買上賞 ハワイ州文化芸術財団
買上賞 マックニーズ紙の作品展(ルイジアナ)
2002 アーティスト イン レジデンス、フランマセール版画工房(カステリー、ベルギー)
2003 アーティスト イン レジデンス、ユバスキラ版画工房(フィンランド)
2004 招待作家 中部アメリカ版画協会コンフェレンス,リンカーン、ネブラスカ
2006 アラメダカウンティー パブリックアート(カリフォルニア)
2019 イエバブエナセンターフォーザアーツ美術館(サンフランシスコ)
2020 デヤング美術館(サンフランシスコ)
2021 ノーザンプリントギャラリー(ニューキャッスルアッポンタイン、英国)
オリエ アート・ギャラリー(東京)
2022 プリント・クラブ・オブ・クリーブランド コミッション・プロジェクト “265 Editions”(クリーブランド)
2023 トアロード画廊(兵庫)
2024 ル・コワン・デ・ザール(フランス)
2025 シームズ・アンド・プロジェクツ(サンフランシスコ)
おもなコレクション
サンフランシスコ美術館/ロサンゼルスカウンテイ美術館/ポートランド美術館/デンハーグミアマノウエスタニアム美術館
ベラルス国立美術館/ロスニノスコスタリカ美術館/アントワープ王立美術館/ハワイ州文化芸術財団
ザ・リッツ・カールトン(ボストン)