2025年11月5日（火）ー11月14日（金）※日曜休廊
10:00-17:30（最終日 14:00まで）
　
オリエ アート・ギャラリーでは、水本智久 彫刻展「Natural Posture」を開催します。
水本智久は、勢いよく跳ね上がる水のような、一瞬にだけあらわれる自然な造形の面白さと生命感が共存する作品を多く手掛け、現在日本の金属野外彫刻を牽引している作家のひとりです。
ステンレスは、非常に硬く、粘りがあり、簡単には曲げにくい金属です。それゆえ、まるで瞬間をとどめたかのように見える美しい流線や水本作品の特徴とも言える球体も、緻密に考えられた多面体から幾多の工程と技巧を経て、生み出されています。単に造形を提示するというよりも、対峙する観者の目線や、空間を共有する人々と作品の関係性を重視する作者は、面体から曲面へと変えてゆく精密かつ多工程の中で、目の前の金属の輝きよりも出会う人たちの心に働きかける光りを見ているようです。
多くのステンレス野外彫刻には、光を受けて空や街を映し、行き交う人の流れを表面に纏う面白さがあります。水本はそこからもう一歩近寄って欲しいと望んでおり、時には目近でのみ体験できる仕掛けを隠しています。流れるラインの中に存在する球体は、言うなれば「池」「水たまり」「スコープ」のような装置として存在し、それを覗く人々とのコミュニケーションを常に待ちわびています。
展示作品のいくつかには、美しく磨かれたステンレス鏡面の肌にタトゥーのような繊細な描画が加えられました。映り込まない部分がこちらとあちらの世界の狭間に漂い、また新しい視覚体験を与えてくれます。ぜひ会場でご体感下さい。
　
　
水本智久 　Tomohisa MIZUMOTO
　
1964　京都府に生まれる
1997　行動展「行動美術賞」（1998 ～ 2018 行動美術協会会員）
2011　海の見える杜美術館彫刻ビエンナーレ「奨励賞」
　　　　作品設置　クラッシィハウス辻堂（神奈川県藤沢市）
2013　個展「東京芸術センター」( 東京都足立区)
2014　作品設置 新居浜市シンボルロード（愛媛県新居浜市）
2016　作品設置 THE RESIDENCE 東三国（大阪市東三国）
2017　作品設置 BRANZ 川口幸町（埼玉県川口市）
　　　　作品設置 ファインシティ東松戸 Residence（千葉県松戸市）
2018　作品設置 CROSS HOTEL 京都（京都府京都市）
2019　日本芸術センター彫刻コンクール「審査員賞」
　　　　個展　いりや画廊（東京都台東区）
　　　　作品設置 VERENA GRAND 山手（神奈川県横浜市）
2021　日本芸術センター彫刻コンクール「金賞」
2022　個展　ギャラリー中井（京都府京都市）
2023　川越市市政施行 100 周年モニュメント「 最優秀賞」及び設置（埼玉県川越市）
2025　秦野丹沢野外彫刻展「OMOTAN Sculpture Award」「佳作」