歌川広重の『名所江戸百景』の第25景「目黒元不二」という、当時の目黒の風景を描いた浮世絵があります。
時を超えて残るもの、人々が引き継ぐもの、場所がもつ記憶の象徴として、そこに描かれている「桜」「松」「藤(富士)」をGravity and Graceの作品に組み込みました。
広重のタイトルにある「不二」には、２つとないものの意味の他に、仏教用語から転じた、2つに見えて実は１つであるという意味もある。
この作品において、光と陰という対立する二つの現象が根底的には一体であること、作品と空間が一体であるという意味を込めて、「不二」というサブタイトルをつけました。